本展は、空間と作品のあいだにある境界を静かに問い直す試みです。会場は、建築家・菱田昌平氏が設計した「ベルギー プライベートホーム」。人が暮らす生活空間に、4名の現代作家による作品を“共に過ごすもの”として設置します。通常のギャラリーという文脈から離れ、住空間の中で作品と向き合うこの展覧会は、アートと鑑賞者の関係に新たな視点を投げかけます。作品は「展示される」のではなく、「住まう」存在として、空間のなかで日常と呼吸を重ねていきます。
木、金属、陶、絵画ー 異なる素材と手法をもつ4名の作家(猪熊克芳、坪田昌之、Madara Manji、寺倉京古)の表現が空間と共鳴し、時間の流れや鑑賞者のまなざしによって、その関係性は変化していきます。
アートとは何か、美とはどこに宿るのか。
その根源的な問いに対して、「暮らし」というかたちで応答しようとする、実験的な試みです。