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Whitestone Gallery Singapore 祝オープン
2022.01.11 シンガポール
ART NEWS
Whitestone Gallery Singapore
Whitestone Gallery の新拠点となるWhitestone Gallery Singapore が1月6日にプレオープンを果たしました。オープンした翌7日にはプレオープンを記念したレセプションイベントを実施。200名を越える、VIPとアートファンが来廊して下さいました。
オープン記念のテープカットには世界的に活躍する建築家の隈研吾氏や、Whitestone Gallery Singapore で現在個展を開催中の江上越氏が参加。多くの来廊者が見守る中、新拠点オープンを祝うことができました。
Whitestone Gallery CEO 白石幸栄の挨拶の様子。
同ギャラリーはシンガポール国内初の美術館である「Singapore Art Museum」(通称:SAM)や多数のギャラリーが入居するエンターテイメント施設「Tanjong Pagar Distripark」内に設立されました。アート素養の高い地域に加えて、13,000平方フィートを超えるアジア最大級のギャラリースペースはその開放感ある空間が大きな魅力です。
『WE LOVE SINGAPORE』group exhibition 展示風景より
現在開催中のグループ展『WE LOVE SINGAPORE』では、弊社自慢の作家たちが同展覧会のために制作した100号を超える作品を展示。各々が今作れる最高を形にした作品が並びます。
『WE LOVE SINGAPORE』group exhibition 展示風景より
また同展では、戦後の日本美術史に大きく名を残す「具体美術協会」の吉原治良や嶋本昭三、白髪一雄、田中敦子といった作家の作品をはじめ、草間彌生、奈良美智、中西夏之、李禹煥など、現代アートを語る上で欠かせない大家の作品も展示。戦後に制作された作品から現代アートまで、美術館にも引けを取らない、見応えのある展覧会となっています。
『WE LOVE SINGAPORE』group exhibition 展示風景より
レセプション当日は、同ギャラリーで個展を開催中の江上越氏と東南アジアを拠点に活動をしているキュレーターのTan Siuli氏によるトークイベントも行われました。2022年に中央美術学院(北京)の博士課程を終了した江上氏は、作家活動と並行して、コミュニケーションの可能性の再考を目的に、言語の起源を含むさまざまな学問領域での探求も実施。近年は美術館やアートフェアでの作品展示に加えて、国際的な場での研究発表も精力的に行っています。
Whitestone Gallery Singapore での個展『行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。 よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。』は、鴨長明による日本古典文学「方丈記」の冒頭をタイトル名に冠しています。天災や疫病など、社会が様変わりする中で問われる人間の本質をテーマに、江上氏のこれまでの研究がその画業を通して表現される場となっています。
対談では江上氏が長年研究してきた「コミュニケーション」をテーマにトークが進行。現代においてのコミュニケーションの変化や、現代アートとの関わりが熱く論じられました。
対談の様子
シンガポールでの江上越個展 展示風景より
Whitestone Gallery Singapore はアートファンにとって更に心地よい空間になるべく、建築家の隈研吾氏の設計で近々リニューアル工事を行います。各作家の珠玉の作品が一堂に会した贅沢な展覧会をどうぞお見逃しなく。
『WE LOVE SINGAPORE』group exhibition 展示風景より、作品は前川強《四方へ青》1963。