ジャンミャオ: Lustre of Hope

HONG KONG / H Queen’s

2022.09.03 - 10.22

ホワイトストーンギャラリー香港/H Queen’sは、中国人アーティストであるジャン・ミャオ初の個展「Lustre of Hope」を開催いたします。今展では彼女の「Life」シリーズより、油絵、版画、彫刻を展示するほか、最新作では人生哲学に対する彼女の飽くなき探究心を垣間見ることができます。彼女の独創的な絵画は私たちを内省の旅へと誘い、インスピレーションを与えてくれるでしょう。

Jiang Miao

ジャン・ミャオが作るさまざまなシリーズ作品は、それぞれが別個のようでいて、それと同時に、同じ宇宙空間で共存している神聖な風景のようでもあります。「Origin」シリーズでは、万物の原型が表現されています。生命が輪廻転生し、有機体が分離し再生するように、万物は幾度となく再生を繰り返してきました。人生を悟り、新しい考えを取り入れることも、繰り返し再生される生命を体現しています。またこのシリーズにおいて、作品にとって究極的な形が何かを自発的に思索する場に観客は誘われます。「瑞」は古来生贄に用いられた翡翠の玉が語源となる漢字で、瑞祥や瑞獣に使われているように、縁起の良い言葉でもあります。

Exploring "Lustre of Hope"

Nurturing

ジャン・ミャオにとって自身の子どもの誕生は、芸術家に心と精神の霊的本質を体験させることになりました。「山を見ても山ではない、水を見ても水ではない」という仏教のカルマの修行に似ています。それは、単独で存在するものはなく、全てのものは他の全てのものとの関係の中に存在する、ということ。あらゆるものは移り変わり、はかないものであると理解すること。

その瞬間に立ち現れる心象風景を描きたいと、ジャン・ミャオは望みます。真の静寂、目に見えない水、大きなエネルギー、底知れぬ深さを持つ景色。見えない水とはこの世に存在する多種の水を意味します。見えない水が現れると、光の輪が現れ、水は精神的な光と生命の兆しの象徴となるのです。

作家は「water.sphere」シリーズのモチーフとして、隕石と宝石の原石を選びました。隕石は遠い宇宙から放射されたエネルギー、一方で宝石は地球上で何億年もの時間をかけて凝縮された高密度のエネルギーのかけら。地球の長い歴史の中で、人間の生涯がいかに短いものであるかを象徴しています。

Growing

このステージは、生命が力強く踊り、広がっていくステージです。それは、破壊された後の万物の再生であり、渦の軌跡に沿って移動することなのです。渦巻きは魂の象徴だと考えているジャン・ミャオ。生きることは、エネルギーを吸収することと同義なのです。

生命にはエネルギーが必要であり、そのエネルギーは太陽から得られるとジャン・ミャオは考えます。このシリーズの作品は、20枚以上の抽象的な絵を、目に見えない下の層に重ねるようにして構成されています。これらの絵は、作家が感じ取った日光、空気、温度、風、日常の要素から生まれ、その日その瞬間の色調が表現されています。翌日も同じ作業を繰り返し、別の色を重ねます。ナイフで点、線、面を彫り、最終的な色相が形成されるところで、作家は色を発掘するのです。この過程で彼女は過去に学んだことを捨て去り、宇宙の意志を提示します。キャンバスの上で色彩を明らかにする時のことを「それが何を望んでいるか、何を経験してきたかを私に教えてくれている」と作家は語ります。

Enlightening

天と地がエネルギッシュな色彩を表現した舞台の記録。円はシステムのディスクでもあり、人間の目に似たフレームとともにあることで、生命と宇宙の真理を指す「神」の目として存在します。真の芸術は内なるエネルギーを要求するのです。

「Heavenly Eyes」のひし形の中の円は、磁場、渦巻き（魂の象徴）、点・線・面の実体を表しています。同時に、三位一体の魂の再構成であり、すべては太極から生まれる輪廻転生のサイクル。そのすぐ下に隠された色は、光からエネルギーが放出される様子を表しています。またこの作品は、人間の目のように水平に、かつ「神」の目を表すように垂直に配置され、悟りの境地やこの世とあの世とのつながりを表現。瞑想的な瞬間の中で、鑑賞者に異なる視点を提供し、エネルギーを補充する役割を果たすことを意味しているのです。