この度、ホワイトストーン・ギャラリー軽井沢では、デール・チフリーの個展『CHIHULY: Whitestone Karuizawa 2021』を開催いたします。
チフリーの50年にわたるキャリアを通して制作された重要なコレクションの数々を展覧いたします。制作に用いる媒体(メディウム)の限界を押し拡げ、光・空間・形態において実験し続ける作家の飽くなき欲望にフォーカスします。
左から右: Dale Chihuly, Gilded Amber Ikebana with Coral Stem and Leaf, 1998 72 x 38 x 20″; Dale Chihuly, Clear Venetian with Sapphire and Amber Flowers, 2009 34 x 16 x 14″; Dale Chihuly, Pine Green Blanket Cylinder, 2010 14 x 8 x 8″
今展の主軸となるシリーズは、日本の華道に着想を得た「いけばな」;アール・デコ調ヴェネチアングラスの花器にインスパイアされた「ヴェネチアン」;色彩を巻き込んだ螺旋形に、海が持つ自然な流動性と律動への敬意を託した「シーフォーム」;アメリカ先住民の織物に着想を得、ボディに糸状のガラスでドローイングを施した「シリンダー」など。そのほか、制作40周年を迎えた「バスケッツ」;ドラマティックな形状と色彩が炸裂、野性の非対称や渦巻き模様を古代的な感性で讃えた「ペルシアンズ」シリーズや、作家のガラス彫刻への経験的行程が豪快な手さばきで落とし込まれた紙作品なども併せて展示いたします。
チフリーは半世紀以上にもわたって、ペンキ・木炭・グラファイト・ネオン・氷・ポリビトロを含むさまざまな媒体を用い、与えられた空間における可能性を探る一方で、自らのヴィジョンを実現するために色彩や光を活用してきました。カラフルなガラスを反射させた天井、きらめくガラス彫刻へと転化させた古木の船、或いは植物園のなかに溶け込むように並置される彫刻。色彩・光・形態・空間を組み合わせることにより、チフリーは魅惑のスペクタクルを創出します。そこでは自然と無機質なガラスが互いに補完し合う、独自の調和が生まれるのです。驚異のガラス世界を体感できるこの貴重な機会をお見逃しなきよう、ご案内申し上げます。