今回のタイトルは日本古典文学「方丈記」その冒頭部分からきている。鴨長明による「方丈記」では800年前の日本の疫病の流行、たびたび重なる天災の背景の社会情勢、人間のありかた、悟ることとは何かを問いた文章である。河の流れは絶えることなくどこまでも流れていき、しかもそれは元と同じ水ではない。よどみに浮かぶ泡は一方では消え一方ではでき、長い間留まっているということがない。そして鴨長明は河の水の流れを世の中や人間の本質とも、同じように暗喩している。古代ローマ皇帝アントニヌスも著書「自省録」の中で「すべての存在は絶え間なく流れる河のようであって、その活動は間断なく変わり、その形も千変万化し、常なるものはほとんどない」と書いている。私は桜が満開後に瞬く間に散っていく姿に惹かれる。儚く散り、種が撒かれ、来る年にまた桜が咲く、千変万化する生命の美しさ。

生々流転、世の中の無常も、しかしそれもまた人生、生きることは旅をすること、川の流れのように。

SINGAPORE

39 Keppel Road, #05-03/06 Tanjong Pagar Distripark, Singapore 089065
+65 6223 3090
+65 6223 3657
Opening Hours: 11:00 - 19:00
Monday, Public Holiday
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プレオープン 特別イベント

Preview Event
日時:2023年1月6日 16:00〜18:30
※当日19時にテープカットを予定しております。
Reception Event
日時:2023年1月7日 16:30-19:00
スペシャル対談:17:00-18:00
江上越 (作家) x Tan Siuli (キュレーター)

ARTIST

江上越
江上越

1994 年千葉県生まれ、日本、中国、ヨーロッパを中心に活躍し、展覧会にて作品完売を続け ている今話題の若手作家。ドイツ HFG(The Karlsruhe University of Arts and Design)、北京・ 中央美術学院へ留学。豊富な海外体験からコミュニケーションの可能性を再考し、言語の起 源を含むさまざまな学問領域から探求している。とりわけ、言葉による社会の再考に傾注。彼 女の「プロジェクト」は、そのサイトスペシフィックな現地調査と文献資料で国際的にも高い評 価を得ている。直近では「In to the light... Etsu Egami solo show」(ドイツ)、「Dialogue beyond 400 years」(ロンドン)、「This is not a Mis-hearing game」(北京)、「対話 4000 年―江上越個展」 (千葉市芸術文化新人賞受賞プロジェクト)などの個展を開催。自身の海外経験からコミュニ ケーションをテーマに一貫した制作活動が評価され、千葉市美術館学芸員の畑井恵氏の推 薦により若手作家の登竜門と言われるVOCA 展 2020(上野の森美術館)に出展し会場でも注目を集めた。現在最も注目されている若手現代アーティストの一人。
VOCA 展では全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに 40 才以下の若手作家の 推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方式により、全国各地から未知 の優れた才能を紹介している。そこで待望される作家はユニークであり、いま・そこで制作し ていることの必然性的な成果を具現している者、ねらいが明確で国際的に通用する力強い表 現力を持つ者。VOCA1994 第一回展には村上隆、1997 年には奈良美智が推薦されるなど、 今後の日本美術界を築きあげる作家を輩出している。

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