

ヤン・ヨンリャン: 暗色への旅
Opening Reception: 01.13, 4:00 – 7:00 PM
作家在廊予定
ホワイトストーンギャラリー台北では、ヤン・ヨンリャン個展『暗色への旅』を開催致します。
ヤン・ヨンリャンはストローク(筆運び)に建築的なイメージを用います。重量感に溢れ細部まで緻密な岩石は宋朝時代の風画に忠実です。都市部の発達は都会での暮らしに繁栄をもたらした反面、多くの生を型通りのものへと押し込んでしまいました。同様に、何千年にも遡る中国の伝統は偉大なる深遠さを抱え込む一方で、常に停滞の危機に瀕しています。古代の中国人は荘厳なる自然に敬意を表して風景画を描きましたが、ヤン・ヨンリャンの作品は同時代の現実のクリティカルな再考へと私たちを導きます。
今展ではまた、仮想現実(Virtual Reality)に基づいた作家の初作品「エターナル・ランドスケープ(永遠の風景)」(2017年)も展覧致します。この作品では、中国風景画の黄金時代へのオマージュとして宋元時代の山岳風景を落とし込んでいます。この貴重な機会を是非ご高覧頂きますようご案内申し上げます。
TAIPEI
Tel: +886 2 8751 1185
Fax: +886 2 8751 1175
Opening Hours: 11:00 - 19:00
Closed: 日曜、月曜、祝祭日
ARTIST

1980年上海に生まれ、ヤン・ヨンリャンは2003年に中国美術学院を卒業(専攻はビジュアル・コミュニケーション)。2005年より現代美術における写真・絵画・ヴィデオ・インスタレーションなど様々なメディウムを駆使した実験的な作品制作に着手。ヤン・ヨンリャンは、古代の東洋の美学とぶんじん文学者たちの信条を現代言語とデジタル技術を組み合わせることで、伝統と現代との接点を開拓する。ヤン・ヨンリャンの作品は、都市と変化し続ける景観という文脈で展開される、歴史・神話・社会文化から抽出した物語を高次的に拡張 (メタ・ナラティヴ)するものである。ヤンは建築的なイメージをブラシのストロークとして用い、宗王朝の風景画を忠実になぞった詳細なディテールをもつ岩肌の描写で知られている。都市部の発展は生活に利便さをもたらす一方で、多くのものを封じ込めてしまった。同様に、中国で何世紀にもわたって発展してきた文化的伝統は威厳を保つ一方で、絶えず停滞の危機にさらされている。古代の中国人たちは壮大な自然への賛歌として風景を描いたものだが、ヤンの作品は現代のリアリティへの危機的な再考を我々に迫る。メディアとコンテンツとの関連においては、強靭なポスト・モダニズム的感性が伝統的な美学と結びつく。ヤンの作品は大英博物館やメトロポリタン美術館など、世界の名だたる公的機関に収蔵されている。作家は現在、上海とニューヨークで活動を続けている。