デモス・チャン: 神畫
Ginza New Gallery
2023.01.13 - 02.04
INTRODUCTION
アーティストとしてのみならず、マルチ・クリエイター、デジタル・アート・キュレーター、デザイナーとしての顔も持つデモス・チャンは、文字通り「全方位的な芸術創造」を提唱。幼少時より書道や水墨画など中国の伝統的な芸術に親しむ一方で、極めて西洋的な教育を受けてきたデモスにとって、「東西文化の交錯」が制作の土壌となるのはごく自然のことであった。複数のリアリティの断片を刻みつける表現主義的手法と東洋の「余白」の美学を共生させ、そこに観る人の想像力が加わることで初めて完遂するアート。人間を境界なく、最もピュアに表現できるモチーフは動物であるとし、先鋭的アプローチを駆使しながら詩・書道・絵画が混淆した世界に落とし込んでゆく。立体においては、描かれた動物はまさに「彫り出され」、カートゥーンのように息吹き始める。
今展でデモス・チャンは「東洋と西洋との出逢いの連続」であった自らの半生を振り返り、東洋を象徴する「龍」と西洋を象徴する「一角獣(ユニコーン)」をキーモチーフに選定。いずれも想像の世界にだけ存在する生き物であるが、両洋の文化的特徴を体現している。双方の融合から生まれる果てしないロマンティシズムを作家は追求してやまない。
作家の内奥で育まれてきた「東と西」は、現代的語彙と縫合されることで力強く生まれ変わる。デモス・チャンが現出させる鮮烈な変容(メタモルフォーゼ)。その強度をぜひご体感ください。
展示の舞台裏
アーティストとしての私の役割は、私生活の断片を視覚化することだ。言い換えれば、複数の現実をひとつの力強いアート作品へと再構築すること。しかしながら、敢えて私は作品のなかに、「余白」、「未完」、「不完全」、といった余地を残す。鑑賞者が自らの経験をそこに重ね合わせることができるように。私のアートが完遂する地点だ。
今展は『神畫』と題される。『ハリー・ポッター』に登場するファンタスティック・ビースト(空想上の獣たち)の研究、を表す造語である。想像の世界だけの存在を描くことは、私にとって初めての体験だ。アートとは、さまざまな形態で、想像力からこぼれ出るものである。アーティストもまた、在り方の如何に拠らず、稀少かつ風変りな存在である。
「東洋と西洋の出会い」の連続であった私の人生経験を振り返りつつ、龍と一角獣(ユニコーン)を今展のキー・モチーフに選定した。前者が東洋の伝統を、後者が西洋の想像力を象徴する。これらは東洋の哲学への偏愛と西洋の科学的根拠を反映している。双方を組み合わせることによってのみロマンティックな世界が現出し得る、というのが私の信条である。
一角獣とその仲間たち
龍とその仲間たち
ジュエリーコラボレーション
ABOUT
2023.01.13 - 02.04
銀座新館
Tel: +81 (0)3 3574 6161
Fax: +81 (0)3 3574 9430
Opening Hours: 11:00 - 19:00
Closed: 日曜、月曜