Vapor prism
ガラスの表面に水蒸気が結露した様を想起させる作品。表面にすりガラス状の微小な傷を付けることでプリズムが投影され、反射と透過の両方が発色する。Liquid prismからの派生作品。
2022.10.07 - 10.29
プリズムによる光の屈折を応用して空間を支配する小川剛の「光の造形」は、視覚体験そのものを刷新する。特殊フィルムや様々なメディウムが、精緻な技巧と入念な制作プロセスを経て発光体と化すさまは、鮮やかな錬金術を見るかのよう。小川の「光」が内包するのは斬新さだけではなく、そこには個人的な記憶、追想的情緒、美術史の歩みなども断片的に交錯する。
今展で小川は、光(像)=記憶、をさらに掘り下げる。
脳で知覚した映像はすでに過去の記録にすぎない。
三次元体である彫刻的立体概念に時間軸を加えた四次元時空。この時間軸を「光」と捉えて可視化し、多層を成す作品性を構築する。
我々が今見えている現象は虚像であり、実像は別の意味を持っているとしたら―その正体は何なのか。
超立体の世界が織りなす超現実的 (surreal)な光の体験のなかで、鑑賞者ひとりひとりに、この問いを投げかけてみたい。
小川が構想していた“銀河の再現”を理想的なかたちで表現。日常生活で起こる認識の差異(ズレ)が作品に取り込まれている。「Nebula」は星雲の意。
複雑な表面の形状をシール状のフィルムで這わせ覆った作品。フィルムを挟んだ内と外の境界線が際立つ。
宇宙に漂う銀河の瞬きを表現した初期シリーズ。表面形状の屈折のみでプリズムが多様な表情を見せる。
ガラスの表面に水蒸気が結露した様を想起させる作品。表面にすりガラス状の微小な傷を付けることでプリズムが投影され、反射と透過の両方が発色する。Liquid prismからの派生作品。
「見えている像と実際の形との違和感」というありきたりに起こる認識のズレをモチーフにした作品。ここでのPhantomは幻影の意。
特殊フィルムが貼られた多面性の起伏をシート状に連結させ空間に配置。複数の色に分散された光の粒子が支配する空間、鑑賞者、作品の3者の関係性で完成するインスタレーション作品。
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