『光彩の連続性』
常に進化し続けるウー・シャンは抽象表現主義を追求、その鮮烈な色遣いと筆勢、シュールレアリスティックな世界観で観る者を魅了してきた。メディウムのひとつである発光顔料が色彩の強度を際立たせ、混沌としつつも絶妙な調和を見せるウー・シャンの色面構成。これまでも自然や環境とのかかわりにおける人間にフォーカスしてきたが、今展ではより自然環境や広範な「生そのもの」へと関心が移行。人間に起こる現象は肉体を超え、追憶や内省といった感情のうねりは豊かな光彩が波打つ時空と拮抗しながら統合されてゆく。ウー・シャンの絵画からはさまざまな時代のスタイルが断片的に喚起されるが、映し出されているのはあくまで現在の世相である。