PROFILE

デモス・チャン
デモス・チャン
代々学問とゆかりの深い家系に生まれ、西洋式の教育環境のなかで育ったデモス・チャンの作品は、東西文化の現代的な融合であり新しい文人書画スタイルである。30歳の時、商業デザインにおいて卓越した業績をあげると同時に数々の国際的な賞も受賞。近年では、絵画、インスタレーション、彫刻、マルチメディア・アート、トレンドスニーカーなど様々な分野でその芸術的才能と審美眼を存分に発揮している。
彼の作品は擬人化された動物を通して世の中への考察と関心を表すと同時に、アーティスト自身の内的な感情の記録であり発露となっている。それらは鑑賞者に彼の研ぎ澄まされた感性、生きとし生けるものに対する平等な心、そして人生への誠実な姿勢を伝える。とりわけ、各作品にパラレルに対応する英詩は、偽りない本心と哲学的内省に満ち溢れ、中国の文人書画の伝統を受け継ぐ。絵画技法としてラッカーや水を用いた混合技法、スプラッシュ(飛沫)、スクレイピング(擦り)のような西洋の技法を採り入れ、さまざまなテクスチャやレイヤー(層)を創り出し、俊敏で滑らかな筆勢感を引き出している。彫刻の制作においては、真空の概念を用い、人生における時とその推移の儚さを探求している。
2021年には成都ビエンナーレ「超融体」にメイン・アーティストとして招聘され、インスタレーション作品を出展、高い評価を得た。