PROFILE
森田学
森田学
遊び心に満ちたスタイル、世代ならではの素材選び―若者のみならず幅広い年齢層に支持されている森田の作品からは、メディウムにこだわらない自由な印象を受ける。
とりわけ代名詞ともいえる白の使い方にそれは顕著だ。ヴィヴィッドな色使いが最終的に帰結する白は、作品をより立体的に際立たせる。
一見ライトな印象ながら、見るたびに深みを増すその世界観には、幼少時から読破してきたアニメやコミックの膨大な情報量が投影されている。誕生の瞬間を鋭利なナイフで切り取ったかのような金属的質感の立体作品では、随所に散りばめられたグリーンが対比された躍動的な時間軸が魅力だ。現実のモノを非現実的にモチーフ化する―これもひとつの漫画的解釈である。
メディウムの差異が織り成す層が魅力のカンヴァス作品は、まさにアニメ制作におけるレイヤーを想起させ、デジタルな風合いを併せもつ。
その自由な生き様を色濃く反映した作品の数々は、多方面に強いインパクトを与えており、来たるべき時代のアーティストとして注目されている。