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小松美羽と厳島神社|海と祈りの聖地に作品を奉納する
2024.07.01
ARTIST NEWS
小松美羽、広島・宮島の厳島神社の大鳥居の前にて
現代アーティストの 小松美羽(1984年生まれ、長野県出身)が、2023年にライブペイントした2作品を廿日市市(広島)とモン・サン・ミシェル市(フランス)に奉納した。神獣をテーマとした作品と力強い表現力で高く評価されている小松にとって、この奉納は創作活動を推し進める重要な一歩である。
作品贈呈セレモニーの様子
2024年6月25日に廿日市市役所のロビーホールで開催された作品贈呈セレモニーでは、廿日市市の市長である松本太郎氏と小松美羽による対談も行われた。
廿日市市に奉納された作品《平和への祈り》は、2023年11月にフランスのモン・サン・ミシェルで行われたライブペインティング によって生み出されたものだ。二作一対のこの作品は、一方が廿日市市に、もう一方の《慈愛への祈り》がモン・サン・ミシェル市に奉納された。
モン・サン・ミシェルでのライブペインティング作品 Photo by 東達也
廿日市市とモン・サン・ミシェル市は、いずれも名高い観光地である。廿日市市には大鳥居で有名な厳島神社があり、モン・サン・ミシェル市にはその名を冠した荘厳な修道院が佇む。神社と修道院という違いはあれど、双方ともに海に浮かぶ世界遺産であり、潮の満ち引きを見守る聖地として長い歴史を有している。
2022年に広島・宮島の厳島神社の大鳥居で行われたライブペインティング と、昨年モン・サン・ミシェルで行われたライブペインティングは、小松が二つの聖地で「INORI」のライブペインティングを行った唯一のアーティストであることを示す証であり、また、二つの聖地が小松のアートを通じて結びつきを強めたことを象徴している。
厳島神社での奉納の様子
宗像三女神を祀る厳島神社のある宮島は、工芸品のひとつとして杓子(しゃくし)、いわゆる「しゃもじ」が土産物として有名である。厳島神社の野坂元明宮司からの要望で、小松は以前から巨大しゃもじへの絵付けを行っていた。作品贈呈セレモニーの前日、小松美羽 は完成した特製しゃもじ《祈りが満ちる厳島 ー導きの神烏様ー》を厳島神社に奉納した。
小松美羽、厳島神社に奉納した《祈りが満ちる厳島 ー導きの神烏様ー》