1998年神奈川生まれ。幼少期の数年間をオランダで過ごした塩沢かれんは現在、東京造形大学大学院に在学中。作品を媒介としたコミュニケーション領域の拡張を一貫して模索。幼少期の記憶や日々の生活のなかでの感覚を平面に落とし込むほか、視覚以外で認識する世界の表象をめざし、音や光、立体など五感に働きかける表現形態を開拓している。国立新美術館で開催されたアジア創造美術展2018にて、最優秀造形賞受賞。

塩沢の作品で主要な光景を成すのは、無限に広がる銀河系。木板にアクリル、油彩、アルキド樹脂を用い、天の川の光と影が織り成す魅力的なレイヤーを構築している。オランダで育った塩沢の構図や線描には、木製の風車やクラシックなアーチ、教会の尖塔といった、ヨーロッパ的な要素が頻出する。幻想的かつリアルなシーンを表現するため、塩沢は大小様々のペンで絵具を削り取る。その絵画を通じ、観る者は内在する意識と、現実世界に開いた風穴との架空の繋がりを垣間見ることができるだろう。


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塩沢かれん
塩沢かれん

1998年神奈川生まれ。東京造形大学大学院造形研究科美術研究領域 修了。幼少期の数年間をオランダで過ごした塩沢かれんは、作品を媒介としたコミュニケーション領域の拡張を一貫して模索。幼少期の記憶や日々の生活のなかでの感覚を平面に落とし込むほか、視覚以外で認識できる世界を表象するため、音や光などの現象を追求することで鑑賞者の五感に語りかけるような表現を模索してきた。
国立新美術館で開催されたアジア創造美術展2018にて、最優秀造形賞受賞。東京都美術館で開催された第48回美術の祭典-東京展-(2022)にて優秀賞受賞。2020年中国のDeji Art Museum に作品が収蔵された。

 

「現実の本当の世界」。それはかつてあったかもしれない世界の記憶かもしれないし、まだ見たことのない未来の姿なのかもしれない。私の作品に触れた人は、無数にあるかもしれない世界を認識し、その世界の隙間から見え隠れする眩しくて計り知れない広がりに憧れや懐かしさを抱きながらいくつもの想像の扉を開くことができる。人々の意識と意識、認識と認識の橋渡し的な働きをしながら、現実社会の中で気づかない心の声を拾い上げるような作品を生み出していきたい。

― 塩沢かれん

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