塩沢かれん
ギャラクシー・カーニバル
February 19, 2022
INTRODUCTION
塩沢かれんは、音や光、立体など五感に働きかける表現方法を模索し、非視覚的な世界の表現や作品を媒介としたコミュニケーション領域の拡大を常に追求しています。 塩沢の作品は無限に広がる銀河系をベースとしており、木製のボードにアクリル、オイル、アルキド樹脂を媒体として、並外れた光と影のレイヤーを持つ銀河を作り出しています。
オランダで育った作家は、木製の風車、古典的なアーチ、教会の尖塔など、ヨーロッパの風景を構成する要素を多く取り入れています。 太さの異なるペンで絵具を削ることで生まれる幻想と現実の交錯は、世界の隙間から人間の心の想像的なつながりを垣間見ることができるでしょう。
現実世界では気づかない人々の声を、心に刻めるような作品を作りたい
地球上のあらゆる神秘的な事柄に興味があります。星はとても不思議な存在です。星が生まれた瞬間を想像することは、今私たちが生きている時間を考えることにも繋がっていきます。今日も私たちが時を刻むたびに、どこか遠い場所で新しい星が生まれていることでしょう。
トロイメライのスケッチ
眠っている時、私たちは無限にある夢の世界を渡り歩いています。とても印象的な体験もあれば、目覚めた時には忘れてしまう体験もあるでしょう。けれど楽しかった夢の中の住人たちとの思い出は、朧げながら記憶の片隅に確かな気配を感じるのです。いつかまた会えることを楽しみに、今日もまた眠りにつくのです。
雲の先にある世界を、想像したことはありますか。人は自分の手の届かない存在に、憧れや希望を抱くのではないのでしょうか。
ABOUT
1998年神奈川生まれ。幼少期の数年間をオランダで過ごした塩沢かれんは現在、東京造形大学大学院に在学中。国立新美術館で開催された「アジア創造美術展2018」にて、最優秀造形賞受賞。
作品を媒介としたコミュニケーション領域の拡張を一貫して模索。幼少期の記憶や日々の生活のなかでの感覚を平面に落とし込むほか、視覚以外で認識する世界の表象をめざし、音や光、立体など五感に働きかける表現形態を開拓している。