上田真央香の作品は、自然の美しさを黄金比や渦の構造、フラクタルなどで表現しており、これによって生命と自然のつながりや尊敬の念を示している。作品は、色彩、線、比率がもたらす視覚的な緊張と流動性を強調し、身近なキャラクターや静物を描いている。また、彼女はこの展覧会を「Folie à deux」(共生パラノイア)と名付け、心の中に浮かぶ幻影や無意識の空想を平面作品で表現し、過去の経験や信念を鑑賞者と共有し、インタラクティブな関係値を目指している。
Folie à deux: Maoka UEDA Solo Exhibition
Taipei
2024.06.01-07.06
1996年兵庫県生まれの上田真央香は、ロンドンで5年間アートとデザインを習熟する。セントラル・セント・マーチンズ・カレッジでファンデーションプログラムを修了後チェルシー・カレッジ・オブ・アートでビジュアルコミュニケーションデザインを学んだ。
彼女は、主にアニメのキャラクターのねじれた姿を用いて、自然の法則が生み出した不規則に見える線や構造の美しさを表現している。一見不規則に見えてしまうモチーフは近くから見ることによって規則正しく、自然かつ調和的につながっており、美しい自然の配置に見える。鑑賞者はオブジェのように頭の中で自由に線をつなげることができ、それはまるで楽譜のように流れていく。一つの物体から異なる解釈ができるように、放射状のパターンも鑑賞者の視点によって様々な表情を見せることができるだろう。
今回の展覧会「Folie à deux」はアニメシリーズの継続に加え、自然界の神秘的な構造法則の数学的な美しさを探求するテーマに焦点を当てている。 ひとつひとつを見ると自然や生き物は論理的なパターンを持たないように見えるかもしれないが、様々な視点と比率の強弱によって隠された幾何学的な形が浮かび上がってく る。それは自然と人間の似た部分を表し、繰り返される形によって、混乱の中に秩序を見つけることができる。
彼女の作品は、円形の枠内でねじれたり広がったりする曼荼羅のように描かれており、カタルシスを表現し、内なる不安に立ち向かうための安心できる空間を提供している。彼女は幼少期の記憶の中にある親しみのあるモチーフとしてキャラクターを描くが、顔や体の特徴、登場人物の境界線は曖昧である。これらのキャラクターは社会的・文化的な影響を受けてぶつかり合い、融合しながら成長し、統合と自己理解を促すことを狙いとしている。
彼女は自然の法則や宇宙の調和を通じて、生命の神秘と自然の美しさを追及しており、心のままに自由に描き、潜在意識の流れに従っている。それはまるで川の渦や木々が揺れるのを観察するようなものだ。様々な構造、色彩、雰囲気を駆使しており、それぞれのイメージの糸が夢のような謎を紡ぎ出し、人生経験からもたらされた無意識の心理的投影を見せる。これにより、鑑賞者に新たな視覚体験を提供できると共に、彼女の芸術をよく理解できる機会になるだろう。
ABOUT
1996年兵庫県生まれの上田真央香は、ロンドンで5年間アートとデザインを習熟する。セントラル・セント・マーチンズ・カレッジでファンデーションプログラムを修了後チェルシー・カレッジ・オブ・アートでビジュアルコミュニケーションデザインを学んだ。
これまでのキャリアでは、2020年のIndependent Tokyoで審査員特別賞受賞や、2021年の第50回国際現代美術展AU(兵庫県立美術館)への参加、2023年の「Chroma Distance」(ポーラ ミュージアム アネックス /東京)2024年「Nine Colors XIII」(西武百貨店 渋谷店 美術画廊)などのグループ展にも参加している。個展としては、2022年「Wonky Tunes」、2023年「The Catcher in the Mirages」などを開催している。また、2023年には「NEW ENERGY TOKYO クリエイティブデザイン展」のメインビジュアルを担当した。
2024.06.01-07.06
TAIPEI
Tel: +886 2 8751 1185
Fax: +886 2 8751 1175
Opening Hours: 11:00 - 19:00
Closed: 日曜、月曜、祝祭日
Opening Reception
2024.06.01(Sat) 4pm
*Artist will be present