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新春企画:3人のアーティストが表現する巳年
2025.01.20
FEATURE

今最も勢いのあるアーティストである京森康平、Aruta Soup、川島優の3人に、ホワイトストーンギャラリーから「2025年の干支を描いてほしい」と依頼。新年からそれぞれの創造力を発揮してもらいました。作品の背景や、インスピレーションの源についても語ってもらいます。
京森康平:正月にふさわしい牡丹のあしらい

京森のアトリエにて
「自分がいつも描いているモチーフでよく使う牡丹の絵を混ぜながら描いています」という京森。特徴的なモチーフの一つである牡丹の花が、色鮮やかな蛇に、色合いの対比が華々しくあしらわれている。一枚一枚細かく描き込まれた鱗の模様は、まさに京森らしいパターンと言える。

制作中の京森康平
牡丹は高貴であり、また東アジアではずっと描かれている伝統的なモチーフである。「正月にふさわしいかなと思って、組み合わせて描いてみました」
Aruta Soup:苦手だった蛇を克服

Aruta Soupのアトリエにて
「思い出でしか語れないんですけれど」と言いながら話してくれたAruta Soup。幼少期、小学校の帰り道に蛇がいて、追いかけられたことがあるという。「それ以来、蛇が怖くてしょうがなかったんです」転機は去年訪れた台湾。見事克服したという。笑顔で「今は大好きです」。

制作中のAruta Soup
まさにその克服した様子が表現されているブラックユーモアな作品が誕生した。自身の代表的なモチーフであるウサギが、蛇をかじっている。蛇は「ouch!(イタッ!)」と言っているものの、口角が上がっているため本気で痛がっているように見えない、ユーモラスな絵に仕上がっている。
川島優:毒の中にある美しさ

川島優のアトリエにて
「最初は白蛇をイメージして描こうと思った」という川島。ただ、実は蛇があまり得意ではないという。そこで苦手な気持ちを逆手に取って、蛇の持つ毒々しさを強さとして表現した。

作品の説明をする川島優
川島は「毒の中に強さと美しさも見えてきたらいいなと思って、品のある感じに描きました」と語った。精密な線から生まれる蛇はリアルでありながら、金箔を使うことで神々しさも生まれている。
2025年の幕開けとなる美しい作品たちを堪能頂けただろうか。さらに制作中の様子や裏側を見たい方は、Instagramのリールもご覧いただきたい。
今回紹介したアーティストの詳細は、以下のリンクからご覧いただけます: