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ホワイトストーンギャラリーに響く “秒角の激流”
2024.05.24
EXHIBITION
左:武内雄大、右:角谷紀章
ホワイトストーン銀座新館で開催されている、角谷紀章と武内雄大による二人展『The torrent in seconds ― 秒角の激流』。展覧会初日のインスピレーションをもとに、共通テーマ「予兆と記憶」で課題制作された新作が、2024年5月18日(土)に披露された。
同イヴェントでは、角谷紀章と武内雄大による対談が行われたほか、日本を代表する即興ヴァイオリニスト・喜多直毅氏に同テーマによる即興演奏を依頼。色彩と音のエネルギーが混淆した劇場空間が実現し、鑑賞者がアートの深淵を窺い知ることのできるユニークな機会となった。
新作完成披露レセプションの様子
5月18日のイヴェントでは、さまざまな技法を駆使した喜多直毅氏のヴァイオリンが会場にエモーショナルな波動と遠近感をもたらし、視覚的体験に豊かな聴覚的レイヤーが加味され、二人の作家の出会いから新作が完成するまでの互いへの影響のありようをより一層浮き彫りにした。
喜多直毅 Photo by ©Keiko Oda
敢えてノイズを織り交ぜることで瞬間の儚さを描く角谷と、現実への畏れを黒という時間軸に内在させる武内。彼らの作品は、一瞬一瞬のかけがえのなさや、現時に潜む戦慄するような美しい緊迫感を私たちに想起させる。
角谷紀章と武内雄大による二人展『The torrent in seconds ― 秒角の激流』は、2024年4月27日から5月25日まで開催。会期終了を間近に控え、魅力的な空間を創り上げて下さった両アーティスト、喜多直毅氏、ご来廊の皆様に心より感謝申し上げます。
武内雄大《Children of the planets》2024, 73.0 × 91.0cm, パネル・紙・鉛筆・水彩・ニス
角谷紀章《Curtain (BK)》2024, 60.6 × 91.0cm, パネル・カンバス・アクリル・墨
喜多直毅氏による即興演奏より一部抜粋