Unthought Known-思いがけない既知:レベッカ・ベルナウ&遠藤仁美 二人展

Ginza New Gallery

2024.10.04 - 10.26

ホワイトストーンギャラリー銀座新館では、レベッカ・ベルナウと遠藤仁美による二人展『Unthought Known-思いがけない既知』(後援:ドイツ連邦共和国大使館/協力:株式会社AMADEUS)を開催いたします。


パーツのない顔。逆光に侵略される森林のアウトライン。一見脈絡がないように見えつつ、水面下で響き合う空間。


“Unthought Known”(思いがけない既知)という言葉は、1980年代に心理学者のクリストファー・ボラスによって提唱された「漠然と覚えがあるものの、それについて考えることのできない状態」を指す。意識化される以前の原初体験がその後の人生に大きな影響を及ぼすという、フロイトの「トラウマ」とも通底する現象だ。鍵となるのはそのときに長時間持続する気分(mood)であり、幼少期の美的体験なども“Unthought known”を構成する代表的な要素と言えるだろう。

"Inner Child" | 2024, Acrylic and Oil Pastel on Canvas, 50.0 × 50.0 cm

レベッカ・ベルナウは1982年ドイツのアーヘン生まれの現代アーティスト。幼少時より絵画に目覚め、ベルギッシュ大学(ブッパタール)にてアート教育、デザイン・テクノロジー、メディア・デザイン、および文学を専攻。デジタル・アートの制作工程に練達するレベッカの画風は、まずスケッチをデジタルで起こし、それらを顔料プリントによってカンヴァスや紙へ落とし込む。デジタルが生む多層からなる空白をアクリルや油絵具で満たし、光や色彩、深層にひそむ造形を浮かび上がらせる。制作の中心テーマは「ルーツ」。個々人にとってそれが意味するものとは?根源を遡りつつ、過去・現在・未来にわたる他者を含めた自己を取り巻く環境との接点を探究している。コミュニケーションと関係性-このふたつがフォーカスされたレベッカの肖像画では、意図的にパーツや表情が削ぎ取られる代わりに、柔らかな色彩のグラデーション、感受性とメランコリーに訴えるコントラストが強調される。

レイヤーを解き明かす:レベッカ・ベルナウが探るアート、アイデンティティ、そして見えざる自己

Rebecca Bernau

ABOUT

"love again" | 2024, 91.0 × 72.7 cm, Acrylic and Ink on Canvas

遠藤仁美は1990年生まれ、東京造形大学美術学科絵画専攻領域卒業。卒業年に第33回日洋展にて損保ジャパン日本興亜美術財団賞を受賞したのをはじめ、『FACE展2021』入選、月刊美術第10回美術新人賞『デビュー2022』にて満場一致のグランプリを受賞するなど、今最も勢いのある作家のひとり。夢や記憶を手掛かりとしたした風景を描いては消す行為を繰り返す過程で、図像そのものよりもそれらの差異が立ち昇る。消されたものの痕跡が蓄積され、既視感をまといながらも異質な新しさを漂わせる遠藤の作品は、儚くも強靭、清明ながら浸透力抜群の色彩のグラデーションで観る者を採りこむ。

清濁の混在を「レイヤー(層)」に重ねて

遠藤仁美

ABOUT

バックグラウンドも国籍も異なるレベッカ・ベルナウと遠藤仁美。今回初めて時空を共にするふたりの世界の共通項―感情(mood)を濃厚にたたえた色彩、不在から在を想像させる天性の造形力―から、「思いがけない既知」の邂逅を誰よりも実感しているのは、作家たち本人かもしれない。

この稀有な機会に是非お立合い下さいますよう、ご案内申し上げます。

Whitestone Ginza New Gallery × CAFÉ AMADEUS STORY

レベッカ・ベルナウ&遠藤仁美『Unthought Known』展では、大阪・中ノ島にあるコロニアル・スタイルのカフェ『CAFÉ AMADEUS STORY』とのスペシャル・コラボレーションが実現。会期中は、東京・大阪の二拠点でふたりの作品をご鑑賞いただけます。店名の「AMADEUS」とはもちろん、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトに由来。国境を越えて人々に親しまれるモーツァルトの音楽のように、日欧の架け橋となるべく願いを込め、命名されました。バイエルン王室御用達・ダルマイヤーの珈琲や紅茶はもとより、CAFÉ AMADEUS STORYが提供する商品はどれもヨーロッパや国内の厳選された生産者からセレクトされ、丁寧な製法で愛情を込め作られたものばかり。また、それらは持続可能な世界に向け、環境に配慮した製品でもあります。

ホワイトストーン銀座新館でのオープニング・レセプションでも、今年60周年を迎えたダルマイヤーのシグナチャー・ビーンズ「プロドモ」をご試飲いただけます。

若きふたりの作家の作品がそれぞれの空間と調和し、どのようなストーリーを紡ぐのか―ご期待くださいませ。

Official site »

Unthought Known-思いがけない既知:レベッカ・ベルナウ&遠藤仁美 二人展
2024.10.04 - 10.26

オープニングレセプション
10月5日(土) 16:00 – 19:00
トーク・イベント:レベッカ・ベルナウ × 遠藤仁美
『Outlies of Inner Landscapes-内なる風景の表出をめぐって』
※両作家終日来廊 (通訳付/質疑応答可)
※ドリンク付 (2024年60周年を迎えたDallmayr社のシグナチャー・コーヒー「プロドモ」も試飲頂けます)
※BGM: German Jazz & far beyond
     

Ginza New Gallery

東京都中央区銀座6-4-16
Tel: +81 (0)3 3574 6161
Fax: +81 (0)3 3574 9430
Opening Hours: 11:00 - 19:00
Closed: 日曜、月曜
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