ホワイトストーンギャラリー銀座新館では、レベッカ・ベルナウと遠藤仁美による二人展『Unthought Known-思いがけない既知』(後援:ドイツ連邦共和国大使館/協力:株式会社AMADEUS)を開催いたします。
パーツのない顔。逆光に侵略される森林のアウトライン。一見脈絡がないように見えつつ、水面下で響き合う空間。
“Unthought Known”(思いがけない既知)という言葉は、1980年代に心理学者のクリストファー・ボラスによって提唱された「漠然と覚えがあるものの、それについて考えることのできない状態」を指す。意識化される以前の原初体験がその後の人生に大きな影響を及ぼすという、フロイトの「トラウマ」とも通底する現象だ。鍵となるのはそのときに長時間持続する気分(mood)であり、幼少期の美的体験なども“Unthought known”を構成する代表的な要素と言えるだろう。