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白磁の夢、黒墨の調べ|ソウルで織りなす寺倉京古と川島優 個展

2024.01.25
展覧会

Whitestone Gallery Seoul

雪に彩られる2月のソウルでは、2人の作家の作品を通して無限に広がる黒と白の世界を堪能できる。ホワイトストーンギャラリー ソウルでは、寺倉京古と川島優のそれぞれの個展が2024年1月13日に開幕。伝統的な技法を用いつつ、現代的感覚を併せ持った両アーティストの作品を一度に堪能することができる。

うつらうつらと反復する夢と記憶

MIYAKO TERAKURA: Between Dreams and Memories

寺倉京古は磁土によるキャスティング技法と、「手びねり」と呼ばれる古来から伝わる造形方法を組み合わせた制作を行うアーティスト。赤ん坊や幼い子どもをモチーフにした作品からは、生物が本来もつ無垢さや無邪気さが柔らかく伝わってくる。今展では夢と記憶をテーマにした作品を展示。白く輝く磁土にパステルの優しい色合いがゆらめくように浮かび上がる。

寺倉京古: Between Dreams and Memories

MIYAKO TERAKURA: Between Dreams and Memories

少女が示唆する不安への対抗

YU KAWASHIMA: PATHOS

日本画の伝統的な技法と独自に研究を重ねた墨を使って、観るものを作品世界に引き込む川島優。自己の不安を一貫して主題に掲げ、少女をモチーフに作品の制作を行ってきた。今展では、情報化社会が加速度的に進む現代社会で、目の前の不安を跳ね除け、生きようとする人間の心情を提示する。

本展開催にあたって、川崎市美術館の館長・土方明司との対談も実施。2人での対話を通して、日本画を専攻した理由や制作のテーマについて深く掘り下げる。

川島優: PATHOS

YU KAWASHIMA: PATHOS

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ARTIST

寺倉京古
寺倉京古

1994年岐阜県生まれ。2017年東京藝術大学卒業。2020年同大学院修士課程工芸専攻(陶芸)修了。2018年大学院在籍中、ポーランドのヴロツワフ美術大学に半年間留学し、その歴史と自然に触れる。磁土によるキャスティング技法と手作業による造形を組み合わせ、赤ん坊や幼い子どもをモチーフとした彫刻を制作。赤ん坊や幼い子どもという存在は、無垢の象徴であり誰しものかつての姿であるからこそ、混沌とした現代を生きる私たちの想いを投影し、祈りを託すことができるのではないだろうか。高温での焼成によって強固な物質へと変化する磁土による制作を通じて、人々の祈りの依り代となる作品へ昇華しようと志向している。

川島優
川島優

現代日本画を担う若きホープ。伝統的な技法を継承しつつも、精緻な線描によって生み出されるモノトーンの絵肌、そこに佇む無機質な人物像は現代社会の深層を鋭くえぐる。2013年愛知県立芸術大学卒業。同大学院博士前期課程美術研究科日本画領域専攻へ進む。第68回春の院展初入選。2014年損保ジャパン美術賞FACE展にてグランプリ、併せてオーディエンス賞受賞。受賞作品『TOXIC』が東郷青児美術館買い上げとなる。2015年ホワイトストーンギャラリーにて個展。香港・台湾・上海などの国際アートフェアに立て続けに出展。

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